2025年6月10日

本お知らせは当社の取り組みを報道関係者等をはじめとするステークホルダーの皆様に公平かつ適切なタイミングでお知らせすることを
目的としたものであり、一般の方への製品情報の提供や顧客誘引を目的としたものではありません。

透析患者向け機能(試用版)を
PHR(パーソナルヘルスレコード)アプリに新規開発

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:大矢 光雄、以下「東レ」)、東レ・メディカル株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:田邉 充、以下「東レ・メディカル」)、およびPSP株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:依田 佳久、以下「PSP」)の3社は、PSPが販売しているPHR※1アプリ「NOBORI」※2(以下、「NOBORIアプリ」)に、東レ・メディカルが販売している人工透析管理システム「Miracle DIMCS」※3との連携を含む透析患者向け機能(試用版)を開発し、一部の医療機関で正式リリース前の実証的利用を開始しました。

 透析医療現場では、患者の高齢化(1)に伴う医療の複雑化や、生産年齢人口の減少(2)による医療従事者の人材不足が予想されており、業務効率化を図るなど現場の負担軽減が今後の課題となっています。透析患者向け機能を搭載したNOBORIアプリは、この課題解決の一助となることを目指しています。患者は本アプリの利用により、自身の健康に関する情報を主体的に管理でき、健康意識の向上やセルフケアの促進が期待できます。これにより、医療機関における業務負荷の軽減が二次的に期待できます。
 また、医療機関においては、Miracle DIMCSとNOBORIアプリとの連携により、患者への医療情報の共有、患者からの日常の健康情報の聞き取り、および医療従事者間での情報共有が可能となります。これらにより、業務効率化だけでなく患者サービスの充実に寄与することが期待できます。

 Miracle DIMCSを既に利用されている医療機関では、今後オプションとしてNOBORIアプリとの連携を含む透析患者向け機能(試用版)をご利用いただけます(ご利用条件についてはお問合せください)。当該医療機関に通院する透析患者は、Miracle DIMCSに蓄積された自身の検査や透析に関する情報をNOBORIアプリ上で閲覧することが可能となります。また医療機関では、患者がNOBORIアプリから記録した日常の健康情報をMiracle DIMCS上で閲覧することも可能です(医療機関への情報提供は患者が希望された場合に限ります)。

 NOBORIアプリの透析患者向け機能では、医療情報の閲覧に加え、体重や血圧などの測定結果や自由記述メモ、また、患者により自己管理されることが望ましい水分・塩分・リン・カリウムの摂取量や、かゆみの有無などに関する選択形式の質問への回答が記録できます。記録した情報はグラフ化して経時的に確認でき、患者の意思に基づいて通院しているMiracle DIMCS導入医療機関に送信することができます。

 本開発において、東レは、透析患者向けPHRの構想・立案、開発の調整ならびに実証的利用の推進を行っています。東レ・メディカルはMiracle DIMCSへのPHR連携機能の開発を行っており、またPSPはNOBORIアプリ内の追加機能として透析患者向け機能の開発を行っています。なお、NOBORIアプリはPSPが運営しています。
 透析患者向け機能を搭載したNOBORIアプリの提供を通して、安全・安心な透析医療の実現や患者QOL(生活の質)の向上に貢献してまいります。

 透析患者向け機能を搭載したNOBORIアプリは2025年6月27日(金)~29日(日)に開催される第70回日本透析医学会学術集会・総会において、東レ・メディカルの展示ブースにて展示予定です。

<用語説明>

※1 PHR
PHRとは、生涯に亘る個人の健康・医療に関わる情報(個人の健康や身体の情報を記録した健康・医療・介護等のデータ)のことであり、本人の意志のもとPHR を活用することにより利用者1人1人の健康増進につながるといわれている(3)。また、国は少子高齢化・人口減少社会に直面する中、国民の健康寿命の延伸を図るとともに、社会保障制度を将来に亘って持続可能なものとし、将来世代が安心して暮らしていくための方策の1 つとして医療DX を掲げており、PHRもその一端を担っている(4)
※2 PHRアプリ「NOBORI」
利用者が、医療機関における法定保存などの期限を超えて、生涯に亘って自身の医療情報をクラウド環境に保存して参照できること、また自らの意志と選択で、“かかりつけ医”やその他連携する医療関係者などと情報を共有することを可能とする。自身や家族の健康管理を意識し、医療を「ジブンゴト」として捉え、自ら医療サービスの担い手になろうとする利用者を支援することを目的としたサービス。情報は高度なセキュリティ、大規模災害に備えたデータセンターで安全に保管されている。
製品ページ:https://nobori.me/
セキュリティに関する情報(一般患者向け):https://nobori.cloud/patient/
※3 人工透析管理システム「Miracle DIMCS」
人工透析の治療業務において、安全性向上や業務効率化を支援するコンピュータシステム。患者情報や透析指示、透析記録、透析スケジュールなどの管理に加え、安全管理機能やさまざまな院内システムとの連携、情報の共有化など、多岐に渡る機能を提供。

<会社概要>

1. 東レ株式会社

1) 本社 東京都中央区日本橋室町2丁目1-1
2) 創業 1926年
3) 代表者 代表取締役社長 大矢 光雄
4) 事業内容 繊維、機能性化成品、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンス、その他の製造・加工および販売。
5) ホームページ https://www.toray.co.jp/

2. 東レ・メディカル株式会社

1) 本社 東京都中央区日本橋箱崎町19-21 MSH日本橋箱崎ビル2階
2) 創業 1980年
3) 代表者 代表取締役社長 田邉 充
4) 事業内容 医療機器の製造、販売および輸出入。医療関連製品の販売、輸出入。医療機器の保守管理、修理および裾付け工事。
5) ホームページ https://www.toray-medical.com/

3. PSP株式会社

1) 本社 東京都港区港南一丁目2番70号 品川シーズンテラス 25階
2) 創業 1989年
3) 代表者 代表取締役 依田 佳久
4) 事業内容 医用画像システムおよび放射線分野の業務支援システムの開発提供。医療関連のクラウドサービス・AIの開発支援プラットフォームの開発提供。PHRサービスの開発提供。
5) ホームページ https://www.psp.co.jp

<参考文献>

以 上