2023年9月20日

本お知らせは当社の取り組みを報道関係者等をはじめとするステークホルダーの皆様に公平かつ適切なタイミングでお知らせすることを
目的としたものであり、一般の方への製品情報の提供や顧客誘引を目的としたものではありません。

粉末剤自動溶解装置 新製品の販売開始について

 東レ・メディカル株式会社(本社:東京都中央区、社長:田邉充)は、このたび、新たに開発した「A粉末剤自動溶解装置TP-AHI-EX」、「B粉末剤自動溶解装置TP-BHI-EX」(両機種を合わせて以下TP-EX)を、2023年10月より販売開始します。


粉末剤自動溶解装置
TP-AHI-EX/TP-BHI-EX

 TP-EXは、国内透析施設にて使用されている「粉末剤自動溶解装置TP-AHI-R/TP-BHI-R」の後継機種で、透析用粉末剤を溶解し、透析液の原液を調製する装置です。透析用水作製装置から透析用水※1の供給を受け、本装置に充填された粉末剤を自動溶解し、透析原液を調製します。

 装置外観は、透析施設の設置スペースに配慮したスリム化を図るとともに、メンテナンス性を重視した内部レイアウトにより、装置前面からの日常保守を可能としました。

 また医療スタッフによる粉末剤補充作業にて改善が必要であった粉末剤飛散による環境汚染に対し、本装置では新規開発した粉末剤飛散防止トレー設置により、飛散量を大幅に減少させるとともに、粉末剤補充作業の負荷軽減が可能となりました。

 さらに透析原液の濃度監視・調整において、従来は透析原液由来の物質が電極センサ表面へ付着することにより、電気伝導率測定に影響を及ぼすことがありました。本装置では、業界初の電磁誘導式セルを採用し、透析原液と非接触にて電気伝導率を測定することが可能となり、濃度監視・調整精度の安定性とメンテナンス性を向上しました。

 また本装置は、当社透析システム関連製品との連携により、スケジュール連動や夜間警報発生時のメール通知などが可能になるとともに、治療の進捗情報による透析液使用量予測とそれに基づく透析液原液調製を通じて、治療終了後の廃棄量削減を図ります。

 以上のように、本装置は医療機関におけるタスク・シフト/シェア※2およびワークライフバランスへの貢献と持続可能な透析医療の実現に寄与すると考えています。

 東レ・メディカルは、安全・安心で効果的な透析医療の実現に向けて高品質な透析関連製品の提供を継続し、透析治療の発展に貢献してまいります。

製品の詳細については、下記の通りです。

1.製品基本情報

販売名:A粉末剤自動溶解装置TP-AHI-EX、B粉末剤自動溶解装置TP-BHI-EX

2.製品特徴

(1) 供給能力:最大80床 ※透析液流量500mL/min/人
(2) 操作性を重視した設計
  • ・粉末投入操作およびLCD操作を考慮したレイアウト
  • ・負担の少ない姿勢で操作、作業が可能
  • ・環境改善:粉末剤飛散防止トレーによる粉末飛散量の大幅な減少
  • ・作業軽減:粉末剤開封後、粉末剤を“くぼみ”に置くことでハンドフリー作業が可能
(3) 電磁誘導式セルによる濃度フィードバック制御
  • ・非接触で透析原液の電気伝導率を測定可能な電磁誘導式セルを採用
  • ・分極現象による感度低下を抑制し、メンテナンス性を向上。
(4) 装置統合管理支援システムMiracle DMACS EX連携した透析システム統合運用
  • ・システム全体のスケジュール連動や夜間の警報発生時のメール通知など
  • ・治療終了後の透析原液廃棄量を削減、持続可能な透析医療の実現に寄与

<東レ・メディカル株式会社 概要>

1.設立 東レ(株)が製造する人工腎臓(透析器)「フィルトライザー®」などの医療機器製品の販売会社として1980年に設立
2.売上高 434億円(2022年度)
3.事業内容 血液透析を中心とした透析器や透析機器、救急・集中治療の血液浄化システム、カテーテルなどの医療用具の製造および販売

<用語説明>

※1 透析用水
透析用水作製装置の出口水(RO水)であり、多人数用透析液供給装置,個人用透析装置などに供給される純度・清浄度の高い水
※2 タスク・シフト/シェア
タスク・シフトとは、看護師や薬剤師などの他職種に医師の業務の一部を任せる業務移管のこと。タスクシェアとは、医師の業務を複数の職種で分け合う「業務の共同化」を指す。タスク・シフト/タスクシェアは医師の働き方改革を推進する中で、医師の労働時間を短縮させる施策のひとつとして導入。

以 上

<本件に関するお問い合わせ先>
東レ・メディカル株式会社
透析事業本部 技術サービス部門 技術営業部
(担当:立花、今井) TEL 055-925-5325